<初めての欧州旅行について>
<朝のヴェネツィア> |
<朝のヴェネツィア・ドージェ宮> |
初めての旅は卒業旅行。 地球の歩き方を抱きしめて初春(2~3月)のヨーロッパを放浪しました。 忘れられない思い出であり、
今となっては、あれが人生を変えたと思える経験でした。
ドイツ語クラスの女子3人で「せっかく言葉も勉強したので行ってみるか」くらいの軽い気持ちで出発。
ロンドン到着後、言葉の通じる雪深いドイツからオーストリアへ。 そして南欧を巡り、パリから帰国。 40日間の放浪の旅。
日本を発って半月ほど経ち、旅程も半ばでゲルマン的ヨーロッパにすっかり慣れていた頃、ウィーンから夜行列車でヴェネツィアへ
入りました。 ドキドキしながら、いよいよラテン語圏へ突入。
朝5時過ぎ、早朝のまだ真っ暗なイタリアに到着。 乗換の駅の雑踏。 既に熱気で一杯でした。
乗り継ぎに時間がない為、躊躇するヒマもなく窓口で「何番ホーム!?」と叫び、「5番線(ビナリオ・チンクエ)!」と言われた
やりとりが人生最初のイタリア語。 そこで何かのスイッチが入った気がします。
初めての南欧。 空気も色も音も匂いも、何もかも違う。 今思えば、あれが人生が変わった瞬間だったのかも。
その後、薄明るくなり始めたヴェネツィアVeneziaサンタルチア駅に到着。 まだ人影もなく、霧で数メートル先も見えず方角もわからず。
駅前の石段に座り、運河の水音を聞きながら夜の明けるのを静かに待ちました。
あの時の様子を今でも思い出します。
(明るくなって霧が晴れたら目の前が運河だったのにはびっくり。 あのまま歩き出していたら落ちるところ。)
誰も言葉が出来ない中、英語はなかなか通じず。 それでも旅は続きます。 どんどんエキサイティングに、サバイバルになりながら。
ハッタリだけで(!)自然と自分から前に出る事が多くなりました、「六か国語会話」をバイブルとして身振り手振りで。
帰国する頃には駅のアナウンスのスペイン語が少しわかる気がしたり(カンペキに気のせいでしたが)、
フランスでパン屋さんと会話したり(ほとんど通じてませんでしたが^^;)。
環境に順応し易いのと思い込みが激しいのと。 まあ、南欧や言葉と相性が良かったんでしょう。
楽しくエキサイティングな毎日。 そして、もう元には戻れないという予感。
最後に一週間滞在したパリは、美しく哀しい、薄いブルーグレーの印象だったかな。 曇りや小雨で、アンニュイという言葉がぴったり。
もうすぐ帰らなければ、と寂しく暗くなっていた私の気持ちもあったのかも。
帰国便が成田に着地してしまい、安心したと同時に涙がこぼれた瞬間をまだ覚えています。 それほど印象深い旅でした。
あれから長い年月が経ち。 いろいろなものが変わって行くけれど、私は変わらずここにいてあの想いを追い続けています。
違うのは、追い続けるのが当たり前となり、身体にしみ込んで自分の一部となり、ほとんど無意識になっている事。
そして、より冷静に、より情熱的になっている事でしょうか。
これから自分がどう変わって行くのか、楽しみでもあります。 そうやって、やっぱり旅は続いていくのかな。
(*写真は数年前のものです、その時訪れたうちのいくつかの街。 ヴェネツィア、フィレンツェ、ミラノ、マルセイユ、そしてパリ。)
<ヴェネツィア、サンタルチア駅の前の運河。> |
<フィレンツェ> |
<フィレンツェ> |
<ミラノ、ナヴィリオ運河界隈。 昔日のミラノの残る地区。> |
<マルセイユ、旧港> |
<パリ、ノートルダム寺院> |