2020-05-29

作品 / Works・北欧ヘルシンキ(Helsinki)







<ヘルシンキ大聖堂と広場>




















初めてのフィンランド、ヘルシンキ。

7月の青空の下、広々と爽やかに広がるその街は、私の想像とは全く違うところでした。

まずはその壮大感。造りは全て、広々と大きい。そして、水に囲まれています。

一国の首都であるにもかかわらず、すぐそこにマリーナがあり、市庁舎や大聖堂の周りをカモメが
飛び交っています。

たった2日の滞在。ここではあくせく走らず、好きな北欧デザインだけ観て、後は公園やテラスでのんびり
しっとりとしていようと決め。幸せな時間を過ごしました。


この作品は、大聖堂前の広場を描いたものです。

広場の中心で演奏されるストリート・バイオリンのオペラを聴きながら。広場の中心に佇み両手を拡げ、
その壮大感の中心に身を置きながら感じた、透き通った幸せ感。そんなものを即興的に表現しました。
広場の石畳は心持ち北欧デザイン的にしてみました。

あの時の幸せ感、充足感。そしてそんな時間は本当にかけがえのないものだと感じていた、あの瞬間の表現。










2020-05-22

旅(Viaje)・北スペイン~ポルトガルへ(desde Norte Espana hasta Portugal) Ⅳ そして国境へ Ⅰ




<国境の町:TuiトゥイとValença do Minhoヴァレンサ・ド・ミーニョ>










<ミーニョ川に架かる国境の橋> 





さて、北スペインからポルトガルの旅も続けて行きます。


ポンテベドラから、南へ。スペインとポルトガルの国境を目指します。

前にも書いたように、「国境オタク」でもある私は、ヨーロッパの国境を陸路で越える事に、至上の喜びと
ワクワク感を覚えます。(もちろん徒歩が一番ですが、バスか車、列車なら各駅停車でゆっくりと。)

サンティアゴ・コンポステーラからリスボンへ。この旅のハイライトは、実はこの国境越えだったのでした(笑)


Minhoミーニョ川を隔てて、スペイン・Tuy(Tui)トゥイとポルトガル・Valença do Minho ヴァレンサ・ド・ミーニョ
という2つの町が向かい合っています。
どちらも中世の宿場町。歩いて行き来出来るのです、歩きの国境越えはなかなか出来ない!

そして、トゥイにはパラドール、ヴァレンサにはポーサーダ(ポルトガル版パラドール)があるのです。
どちらに宿泊するか迷ったのですが、町のイメージと交通手段を考え、やはりヴァレンサへ。
(国境は、出来れば越えてから宿泊した方が、翌日の交通手段が楽です。国境を越える便は極端に本数が少ないので。)


初めてのサンティアゴ・コンポステーラ訪問の時から、何度も列車で通っているこの国境。

2回目はポルトガルからスペインに抜ける時。ガイドブックにも出ていなかった国境の町「ヴァレンサ・ド・ミーニョ」
の、強固な城塞を列車から垣間見て、激しく心惹かれました。あの中の街はどうなっているのだろう?と。

少し離れたスペインVigoとポルトガルViana do Casteloはその時に訪れているのですが、そうしてヴァレンサがその次の
目的地になったのでした。

それから20年以上。そうして辿り着く国境は、宿泊して、たっぷりと時間をかけて味わいます。


この2つの町は数百メートルの橋でつながっていて、5分程度で歩いて渡れます。エッフェルの手による二層構造
(上が鉄道・下が車両と人)です。

ヴァレンサのポウサーダにチェックインし、町を降りて橋まで数分。国境を越えてからスペイン・トゥイの旧市街
まで10分強。です。トータルで20分強?何度も行ったり来たり出来るなぁ。(笑)







<ポルトガル・ヴァレンサから国境の橋へ> 















<橋のたもと・ポルトガル側> 































<国境の印>
向こうがPT、こちらがES 



























<国境の印> 


























<橋の反対側、スペイン> 































<サンティアゴ巡礼街道の標> 
















<スペイン、トゥイ>
巡礼のシンボル、帆立貝のマーク 













<トゥイ大聖堂> 



























































<スペイン的街並> 














<トゥイの遠景>
ヴァレンサより











<ポルトガル・ヴァレンサ遠景>
トゥイより 



























<典型的なポルトガル的建築> 
デコラティブです。










































































2020-05-15

作品・写真 / Works&Photo・プロチダ島Procida(南イタリア・ナポリ湾)






<プロチダ島>
















プロチダ島。ナポリ湾に浮かぶその小さな愛らしい島は、映画「イル・ポスティーノ」の撮影が行われた事
でも知られています。

この写真は、プロチダのハイライト、カラフルな家並の続くハーバー「コッリチェッラCorricella地区」を
丘の上から撮ったものです。

この風景が観たくてここまで来たのでした。

丘に上り、この風景を眼下に眺め。私は言葉を失い、ただひたすら佇んでいました。気持ちは静かに浮遊し、
すーっと透明になって行くような。

青く碧い海と空に映える、パステルカラーの家並。

私の描きたい絵そのままの風景。こんな風景が現実にあるなんて。
この風景を絵にする事など、絶対に出来ない。この風景は、このままが一番美しいのだから。

そんな事を考えながら、ひたすらその景色を眺めていました。



風景を自然とデフォルメしていく私の絵は、イメージから好きな色彩で描いて行きます。
でもこの風景は、実際のこの色以外にはあり得ない、そう思ったのでした。



日本へ戻っても、私の心の中にはこの風景が焼き付いていました。

そしてそれを、やっぱり描いてみようと思ったのでした。次の個展に向けて、記憶が鮮やかなうちに。

そうして即興的に出来上がったのが、この2点です。







まずは、風景をそのままに。写真の「模写」ではなく、自分の記憶の中の像を描きました。
水彩画のように、あっさりと一気に数時間で。












そしてもう一枚は、途中までは同じように描き、そこからいつものように少しだけ手を加えたもの。





どちらも、即興だからこその軽さと臨場感、鮮やかさがあるように感じます。

これはあの時の絵であり、今はもう描けません。 でもこの風景は、いつかまた、もう一度描いてみたいと思っています。
私の中で残像が熟成し、夢のようになった時に。きっと全く別の絵になる事でしょう。







2020-05-08

旅(Voyage)・ マラケシュ / モロッコ(Marrakech/Maroc)Ⅳ アトラス山脈へ Vers l'Atlas




<アトラス山脈とアイト・ベン・ハッドウ>





<アイト・ベン・ハッドゥ> 




ブログは、旅の記録に戻ります。モロッコの旅は奥地へ。

マラケシュから日帰りツアーで、アトラス山脈を越え、サハラ砂漠方面へ。ワルザザードの映画スタジオと
アイト・ベン・ハッドゥのカスバ(集落)を訪れました。

暗いうちにマラケシュを出発し、一路アトラスへ。風景がだんだん荒々しく変わって行きます。ひたすら
砂漠地帯へ向かって。


ワルザザードは、砂漠の雄大な光景が広がっている為、映画のロケ地として使われることも多く、映画スタジオ
もあります。アラビアのロレンス、スター・ウォーズ、グラディエーター、etc, etc

映画スタジオを見学後、いよいよ世界遺産アイト・ベン・ハッドゥへ。

砂漠の隊商交易の中継地として栄えたこの地方には、カスバ(城塞で囲まれた集落)がいくつも建設されています。
その中でも、このアイット・ベン・ハドゥは、ベルベル人の有力民族の築いた集落でした。

カスバは孤立した集落で、敵(略奪等)から身を守る為に城壁のような構造をしています。一つしかない入り口を
入ると、入り組んだ迷路のような小径が続き、頂上からは荒野全体が見渡せます。


マラケシュに戻った時にはもう夜の22時過ぎ。まるまる一日のツアーです。

サハラ砂漠までは到達出来ませんでしたが、いつか季節の良い時に訪れたいなぁ。
ゆっくりと夕焼けを満喫した後、砂漠の真ん中に寝転んで星を眺めたい。いつか来るその日を夢見て。







































<アルガンの実(アルガンオイル用)> 


















































































































*アイト・ベン・ハッドゥ*































































































































*ワルザザートのスタジオ*