2017-11-24

旅(Viaggio)・冬のイタリア(Nord Italia in inverno)Ⅰ<北イタリア・ヴェネツィア/Venezia>




<ヴェネツィアVenezia>






<リアルト橋から>






ある年末の北イタリア。飛行機を乗り継いで降り立った朝のヴェネツィアは、今にも雨がふりそうな雰囲気でした。

この日の宿、パドヴァPadovaまでは列車で30分。
という事で、とりあえずはサンタ・ルチア駅に荷物を預け、ヴェネツィアを散策。サンマルコ広場とバーカロでの
ランチが目的。ヴァポレットでサンマルコ広場へ直行後、ゆるゆると駅に戻って来るコース。
途中でどこかのバーカロで一杯^^

近年のヴェネツィア訪問は、結構このパターン多いです。特に観光するでもなく、好きな場所を気ままにうろうろ。
観光してない場所、たくさんあるんですけどね^^;

何百年も変わらないサンマルコ広場へ船で到着。大好きなドージェ宮Palazzo Ducaleの佇まいを眺め尽くしたのち、
ゆるゆると駅まで散策。寄り道とかしてると何時間もかかるコース(笑)

「既知の街へ行った時にも、必ず新しい事を一つはしよう」と決めているので、今回は外観の美しいカ・ドーロ
Ca d’Oroへ。大運河沿いの壮麗な建物。内部は美術館になっていて、この時はアクセサリー・コスチューム
ジュエリーの展示。とても見ごたえありました。バルコニーからの対岸の眺めも抜群!魚市場も見えます。

一仕事?して安心し、バーカロをハシゴ。


迷路のようなヴェネツィアの町。何度訪れても必ず迷います。いや、もしかして確信犯?無意識に、わざと迷って
いるのかも? 迷いながら彷徨いたくなる街、それがヴェネツィアです。

でも、そろそろ雨が降って来ました。潮時かな。という事で、荷物をピックアップしてパドヴァへ。







<ヴェネツィア、サンタ・ルチア駅に到着> 












<サンタ・ルチア駅前の広場>



































































































































<ドージェ宮 Palazzo Ducale> 













<溜息橋> 








































<サン・マルコ広場。獅子はVeneziaの象徴。> 















































































<カ・ドーロの中庭> 













<カ・ドーロのバルコニーから>






































2017-11-17

徒然なるまま、花の絵について



<花の絵について>






今回の個展案内状の作品は「南仏グラースの薔薇」 ”la fontaine des roses”。
バラに彩られた噴水のある風景です。
町中が薔薇で溢れかえっていた、ある5月の想い出。
コート・ダジュールの眩い光の中、薔薇たちは華やかに咲き誇っていました。






少し前から、花を描く事が増えた気がします。
花そのものと言うより、「花のある風景」ですが。 かたちよりも色彩を中心に。

もともと花を描いた事はあまりなく、花の絵を観て魅かれる事は多くても、自分が描きたいとは思わなかったのだけれど。

春になると桜を描いたり、そういえばずっと昔にひまわり畑やヒナゲシの野原も描いてみた事はあったけれど。
それは、花を描きたいというより、満開の花の中に佇む何とも言えない「花に埋もれる感覚」を表したくて。

でも、ここしばらく、いつの頃からか、花いっぱいの風景に魅かれて、折に触れてモチーフに選ぶようになっています。

この数年、日常でも花に触れる機会が増えました。
ご縁あって、インフィオラータ(花の絨毯)を観賞したり、制作に関わらせていただいたり、押し花アート等、花の
クラフトの素敵な作品を拝見する機会が増えたり、等々。写真も、花や植物を撮影する事もあり。
以前より花が身近になっている事で、自然と花に目が行くようになり、花と少しずつ仲良しになり始めたのかな?(笑)

花の鮮やかな色彩は、自然界にあるもっとも美しい色の一つ。 花達は、凛と咲き誇る姿が一番美しく、それにはどんな
絵画もかないません。

でも、それを自分の感覚で自分なりに表現してみたら、きっと楽しいに違いない。 たくさんの花に囲まれる幸せな風景。
そうしたら、それは全く別のものとして、別の次元で楽しめる一つの作品になるのかも。

そんな風にも考えたのかな。

まあとにかく、美しい花の色彩と、それに包まれる幸せな感覚に魅かれて、いろいろ描いてみたくなったのでした。

旅の中で出会う花達。 訪れる街々には、それぞれ色とりどりの魅力的な花が咲いています。 私の中の旅の想い出・
その場所の印象に、花々は彩りを添えています。
そんな花をたくさん風景の中に入れ込んで、旅で感じた印象を彩る。 南仏らしく、とか、地中海っぽく、とか。
その土地のイメージを花で表現する。

とても楽しい作業です。 このモチーフも少しずつ、続けて行けるといいな。夢は拡がってゆくのでした。








<白い薔薇のブーケ(グラースの噴水)>
薔薇を白で描くか色彩で表現するか決められず、結局両方描く事にしました。
白薔薇バージョンは、個展直前に受難に会いましたが(笑)、何とかお目見えしました。 












<夾竹桃の咲く風景(コモ湖畔の村・ベラージォ)> 













<花のある街角(雑司ヶ谷)>












<南仏グラース> 











<南仏の花市(エクス・アン・プロヴァンス)> 











<南仏グラース> 











2017-11-10

神楽坂レストラン「フレンチ・ダイニング」French-Diningについて







<フレンチ・ダイニングについて>














神楽坂のレストラン「フレンチ・ダイニング」が、惜しまれながら2017年9月末で閉店しました。

13年間、「そこにある普段のフランス」として皆に親しまれ、人々(特にフランス関係)の集まる場所となって
いました。 皆様、お疲れさまでした。 そして、本当にお世話になりました。

私はと言えば、2008年の最初の個展から、なんと5回もの展示をこのお店でさせていただきました。

「個展」デビューもここ。 毎回数ケ月も壁を占領し、時には勝手に展示替えしたり、写真飾っちゃったり(笑)、
ほとんど私物化。 お店の雰囲気と私の絵はとても相性が良かったようで、少しは南仏っぽさに貢献出来たかな?
とは思います。

ここ数年、特に内装を替えて壁を塗り直し絵を飾らなくなってからは、残念ながら展示させてもらう事も無く
なりましたが。

TVドラマの撮影にも使われた事のあるお店。 広々と開放的な空間はのんびりするのに人気が高く、家族連れや
打合せにも人気があったようです。

そう言えば、私の大切な想い出・フランスの香水「ラルチザン・パフューム」のお仕事も、ここで偶然展示を
ご覧になったラルチザン・ジャポンのプロモーション担当の方がお声をかけて下さったのでした。
彼女はここで私の絵を観てポストカードを持ち帰り、ずっと冷蔵庫に貼っていたそうです。 そして、1年くらい
も経ってから、「そうだ、新しい香水のキャンペーンをこの人に頼もう」と思い、私を探したとの事。
(その頃はBLOGもFBもやっていなかったので、探すのは手間だったようですが、たまたま茅ヶ崎の個展の直後
だったので、見つけてギャラリーにコンタクトしたそうです。)


絵は、ギャラリーで展示するのはもちろんですが、人々が楽しみ集う場所に飾って観ていただくのも、
重要な楽しみ方だとずっと思っています。 ずっと昔、南仏の地方都市ナルボンヌで「レストランの個展」に
出会ってから、私もそれが夢の一つでした。

そんな夢をちらっと口にしたら、「あ、飾るよ」と気軽に飾って下さった神楽坂レストラン、サン・ファソン。

そしてそこに絵がどんどん増えて行くと、サン・ファソンの本多シェフは、「うちはもう飾るスペースがない
から(笑)」と、フレンチ・ダイニングを紹介してくれたのでした。 すべてがそこから始まり、あちこちの
お店に飾ってもらったり、自分から個展を開いたり。


展示中のランチ後は、お店の閉店時間までだらだらと勝手に飲んでたり、この店で展示をしていない時も、
他での個展のポスターを外から見えるガラス窓に勝手に貼っちゃったり。 そんなラフさが大好きだった
フレンチ・ダイニング。
そんな私を気にしないでくれた、優しい皆さん、そしてオーナーのピーター、長いことありがとう。

レストランはなくなっても、飯田橋のデリ「グルモンディーズ」は今まで通り。 大好きなパテやサラダは
入手出来ます。 家呑みが増えそうだけど(笑)。


私にとって、また何か「或る一つの時代」が終わった気がしています。 ある意味、ひとつの青春時代(笑)?
寂しいけれど、こうやって、時は移り変わって行くんですね。

また次の新しいステップを探しつつ。 さて、これから何をやろうかな。

またちょっとパワーと勇気を出して、面白い事を探して飛び込んで行こう。 でも、レストランやお店での
展示も、これからも続けて行きたいなぁ。 なんて思いつつ。

Bye-byeフレンチ・ダイニング。 ずっとありがとう。 長い間の感謝を込めて。






















































































































<写真も展示> 


















































































































<2008年、最初の展示>