2019-05-31

徒然なるまま、旅について (カターニアからアグリジェントへ)





<旅について (カターニアからアグリジェント、そしてシャッカへ)>
















この旅で、カターニアからアグリジェントへ向かう道は、バスで2時間半程度。 そして、そこで羽を休め、
さらにシャッカまでは1時間半。何もない山の中の自動車専用道路を、バスは走って行きます。 時々川や
湖が見えたり、畑があったりと長閑な風景。

中長距離バスの移動の中では何もする事が出来ず(中で急いでも仕方ないし)、運を任せてひたすら
ぼーっと到着を待ちます。 この、「無になる」時間は結構リフレッシュ出来たりもします。

この時の旅では、そんな移動中のふとした瞬間に、例の、旅先での「唐突な幸福感」が下りてきたのを
覚えています。 「あ、私は今、限りなく自由で幸せだ」と。 そんな感覚が、淡々と、でもジワーっと
来たのでした。
その時って実は、体調も胃腸の具合もかなりイマイチだし、長時間のバスには不安があるハズの状態
だったんですけどねー そんな時に幸福感を感じている自分に、ちょっとビックリしたりもしました。

そんな事考えてる間に、シャッカへ無事到着。


うん、シチリアや南イタリアは、「それ」が下りて来る率が心なしか多いかも? やっぱり南ね。

時々やって来る、そんな時間を求めて。 そうやって、私の旅はずっと続いていくのでした。



(「唐突な幸福感」については、以前このブログで書いたり、ラジオのトークで触れたりもしましたが。
宜しければご覧ください。

http://atsuko-k.blogspot.com/2017/06/blog-post.html











<シチリアや南欧でよく出会う Fichi d'India(サボテンの実)> 










2019-05-24

旅(Viaggio)・シチリア (Sicilia / Italia)Ⅻ<アグリジェント Agrigento>






<そして、遺跡再び@アグリジェントAgrigento>


















(昨年の夏~秋にかけて掲載していた、2016年夏のシチリア旅行記を再開します。ちょうどシチリアの似合う
季節になって来たので。
この旅では、メッシーナ→ミラッツオ→リパリとエオリエ諸島→タオルミナ→カターニア→ミリテッロと、
シチリア東部を歩き、そして、西部へと向かいます。)




カターニアからバスで3時間弱、アグリジェントへ向かいます。

アグリジェントは、ギリシャ遺跡の町。遺跡の多いシチリアの中でも、その規模では1,2を争う有名なスポット。

初めてのシチリア旅行の時に遺跡は訪れていたのですが。(その時はスコールにやられたww)
遺跡の見学後、生乾きのまま、公園のカフェのテーブルで一休みした時の雰囲気が忘れられず。

その先に広がっているはずの旧市街。 それまで経験したイタリアとは思えないような、南の雰囲気と人々。
そんなものがすごく印象的で。


いつの日かシチリアにもすっかり慣れ、何度も訪れるようになりました。

そうして、遺跡だけでなく旧市街も魅力的だというアグリジェントを、いつの日かもう一度ゆっくりと訪れよう
と思っていたのでした。

今回、シチリアの東部から西部への移動の中継地として、この街を選んでみました。

宿泊はB&B Dolce Vitaを選択。 クラシックで可愛らしい、数百年前のお姫様的インテリアのB&Bです。



数十年ぶりに訪れたギリシャ遺跡は、前と変わらずそのまま。 遺跡の体験してきた長い年月に比べれば、
私のこの数十年なんてあっという間で、 変わるはずもないけれど。

今回は博物館までじっくりと見学し、そして町の散策へ。

旧市街は迷路のよう。 入り組んだ路地に古い教会が点在する、素敵な街です。
そうして階段を上がったてっぺんの地区にドゥオーモ(大聖堂)があります。 迷路を彷徨い、ようやく
辿り着いた時にはとっぷりと日も暮れ。 閉まっていて中には入れませんでしたが、その堂々とした姿を
目に焼き付けて帰ります。

その後、あたりをつけていたオステリア「Expanificio」にて美味しい食事を。 遺跡の町でもやっていること
は同じ(笑)


翌日はいよいよ、楽しみにしていた陶器と温泉の町シャッカへと移動です。
















































<B&B ドルチェ・ヴィータ Dolce Vita>












<B&BのTVは額縁の中!(笑)> 











<B&Bからの眺め。遺跡の谷の向こうに海が臨めます。> 












<旧市街の入り口近くにある階段>
遠い昔に見て、「この先に何があるのか?」と印象に残っていました。 












<そして、階段の上へ。> 














































































<旧市街の丘の上の大聖堂>





















<オステリア「Expanificio」> 

















2019-05-17

徒然なるまま、ピカソや展覧会、その他諸々について。








<ピカソや展覧会、その他もろもろについて>










「腕を組んで座るサルタンバンク」
1923年、新古典主義の時代 (ブリジストン美術館所蔵)HPより。






先日の記事で、パリの”Picasso, Bleu et Rose” 「ピカソ、青とばら色の時代」展をご紹介しました。

Picassoの「ばら色の時代」の作品や、「新古典主義の時代」等、人物画、特にサーカスのものはとても好きです。


絵に興味を持ち始めた頃(と言っても、30歳前後の大人でしたが)。
東京・京橋のブリジストン美術館でピカソのサルタンバンクを観て衝撃を受け、ピカソが好きになりました。
なんて哀しげで美しい男の人、人物を描くのだろう、と。

それまでの私は全く絵に馴染みがなく。キュビズム、シュルレアリスムの人物画(良く分からない魅力的な絵)
を描く巨匠だと思っていたピカソが、「絵が上手い」(なんと大それた事を!!!)という事を改めて知り、
「下手でも味があれば良いという説も程度問題!」と思い知ったのでした。 
(だからってデッサンに通い始めるのは断念したんですけどね^^;)

「サルタンバンク」「アルルカン」という言葉もそこで覚えました。

(アルルカンArlequinとは:
中世イタリアの即興喜劇の道化役アルレッキーノのフランス名。派手な菱形模様のタイツ姿で,小さなマスクを
かぶる。イギリス名はハーレクイン。

サルタンバンクとは:
「旅芸人」を指す言葉。通常のサーカス団で活動するものとは異なり、路上で大道芸を披露するものであり、芸人
の中でも最下層に位置付けされている。

です。 以上、WEBの辞書から。)

ブリジストン美術館HP
http://bridgestone-museum.gr.jp/collection/highlight/picasso.html



さて、それは置いておいて。

パリのオルセーやポンピドー等の美術館で開催される巨匠達の企画展は、やはり観応えがあります(当たり前ですが)。
圧倒されるクオリティと量、そして企画力。 解釈や切り口等々。 誰もが知っている作家であるだけに「新鮮さ」を
出すのは難しいところ、そこも完璧にクリアし、更に新しい興味を引き出すところは、やはり本場中の本場だと
感じます。

ピカソやマチス等の企画展は、日本でも何度も開催されているものですが、「知っている」からと言わず、パリや
海外へ旅行した際、好きな作家の大きな企画展があれば、訪れてみるのもおススメです。


ここで、念の為に書きますが、
美術史、美術論や作家については、私は勉強した事も無く、ほとんど知りません。 そして、「絵の鑑賞の仕方」も、
わかりません。 たぶん皆さんの方が詳しいと思います。 

ヨーロッパ各地も含めれば、おびただしい枚数の「名画」を観ているのですが、ただ「みているだけ」なのでした(笑)
まあ、強烈な印象と残像だけは、私の中に、全部ごちゃ混ぜにひたすら蓄積していますが。

なので、私が書くこんな記事も、専門的な記述ではなく、自分が気になった作品のうち、たまたま写真が撮れたものを
そのままアップしただけのものになっています。 後はご覧いただく方々にお任せで。


私は、絵を観る時には、何も考えられず絵の前でボーっとしてしまうのです。

そして、基本的に、「自分が好きかどうか」とか、「気になるか」「どうやって描いているか」とかいうような視点
でのみ観ています。 「なんか、良いなぁ」とか。 色彩やその使い方は気になります。 マチエールとの組み合わせとか、
質感? 言葉にならない感覚?
なので、うまく文章にも出来ないし、一般的な美術論的意見も書けないのです(笑)

決して何も感じていない訳ではないので、いつかは自分の意見を付け加えてもう少し突っ込んだ記事を書きたいと
思います。 
これは美術に限らずですが。 じっくりと時間をかけて。 普通とは別の角度の記事になるのではないかと思います(^-^)

今回はとりとめのない記事でしたが、このへんで。










<オルセーで買って来た図録的雑誌> 










































2019-05-10

作品 / Works・ルンド ( 南スウェーデン) / Lund (Sweden)




<Lund ルンド>













デンマーク、コペンハーゲンから列車で橋を渡り、スウェーデンへ。

南スウェーデン、デンマークに程近い小都市ルンドLundは古い大学の町。

小さな町ですが、かつては「西のロンドン、東のルンド」と並び称されるほどの繁栄を誇った大学都市との事。
旧い街並、白亜の大学、花の溢れる町。 現在も世界中から留学生が集まっているそうです。

青空の下、心地よい一日。 みんな公園やテラスで寛いでいます。

初めての北欧は、空気が広々と澄んだ感覚。 空が高い気がします。 透き通っていてシンプルで、静かな印象。
アートセンターの庭は、大好きな木蓮やチューリップ、花々で溢れていました。









2019-05-03

旅(Voyage)・2019年 新年の旅ⅩⅢ(les vacances de la Nouvelle An 2019)「ピカソ、青とばら色の時代」展(パリ) / ”Picasso, Bleu et Rose" à Paris





<Picasso Bleu & Rose ピカソ、青とばら色の時代>














2019年1月4日、パリにて。
「ピカソ、青とばら色の時代」展@オルセー美術館へ。

1月6日まで開催されているのを知り、ギリギリに滑り込みました!(もちろんネットで事前予約、ギリギリ!)

この展覧会は、オルセー美術館とパリ国立ピカソ美術館によって企画された特別展。
20世紀最大の画家と言われるピカソの膨大な作品の中で、初期の「青の時代」「バラ色の時代」に焦点を
当てた展覧会です。

(私が時々見るWEB ページ「O’bon Paris」に詳細が掲載されています。



























ピカソの作風は、その変遷から数々の「時代」にカテゴライズされていますが、「青の時代」と「ばら色の
時代」は、初期の、そしてピカソの特徴的な作風の1つです。



青の時代(1901年~1904年)
19歳の時、親友のカサヘマスの自殺にショックを受け、鬱屈した心象を哀しく重い青を基調に描き始めた。
社会の底辺に生きる人々を題材にしたものが中心。




































ばら色の時代(1904年~1907年)
最初の恋人(フェルナンド・オリヴィエ)を得て色調がかわり、暗い青からばら色を中心とした明るい色彩で
描くようになった。アルルカン(サーカスの芸人)や、家族、子供などを中心に描いている。

















































後にシュルレアリスムやキュビズムへと移行していく、そして後期・晩年のある意味自信に満ち溢れたピカソ
とは違う、偉大な中にも繊細な青年を感じさせる作品群。

私はこの頃の作品、特に「ばら色」のアルルカン(サーカス)等はかなり好きです。














2019年・新しい年の初め、冬のパリで。 久々のオルセー美術館。 Picassoと常設の印象派作品のテンコ盛りの
中、なすすべなくひたすらボーっと彷徨っていたのでした。


(自分が気になった作品のうち、たまたま写真が撮れたものをそのままアップします。みんな撮ってたけど、
アップして良いのかしら^^; ?)