2019-03-15

作品 / WORKS・桜 / SAKURA, les fleurs des cerisiers








<桜の絵について>









<SAKURA 2018> 









今年も春がやって来ました。
あちこちで、桜がそぉーっと出番を待っています。 もう少し、もう少し。 はやく桜に埋もれたい。
桜は大好きな花のひとつ。 2月も終わりに近づくと、何となく桜を想います。 そして、3月になると、
ちょっと落ち着かなくなる。そして、ソワソワし始めるのです。

桜を想い始めると、桜の絵を描きたくなります。 実際に咲き始めるまでの短い期間、桜を待ちながら。

花が咲き始め、満開になっていくと、もう絵どころではありません。 カメラを持って、ずっと外を
歩き始めます。 時を忘れ、ひたすら花を愛でたい、と。 「描きたい」という気持ちもどこかへ行って
しまう。

そんな事もあり、昨年は早めに準備を始めたのですが。 まだ暗い冬、私のテンションも低く哀愁を
背負っていて(笑)、絵はなかなか花開きませんでした。

ちょっと哀愁を帯びた、静かな日本の冬の桜。 とても「南欧のアーモンドの花」とは言えない。
それはそれで、その時の私の心境と季節を表していたのだけれど。


そして、昨年3月中旬、数日間台湾へ旅立ちました。 一足早い春を愛でに。

絵の仕上げは帰国してから。 20日くらいから一気にするつもりだったのですが。 桜を待つワクワク
した気持ちをエッセンスとして、冬の桜に明るさ、楽しさのような要素を加え、地中海・南欧にも
通じる「SAKURA、またはアーモンドの花」を完成させるという計画でした。


しかし。 昨年の桜は早かった。
台湾へ旅している間に急に満開になってしまい、戻って来たら、東京の桜はもう咲き乱れていました。。。 
私の個人的な予定より一週間以上も早く。

ああ、もうこれ以上、絵は進められない。
まあ、それなら仕方ないでしょう。。 そして結局、昨年の桜は、「しーんと静かな、日本の冬の桜」
という方向で出来上がったのでした。

南欧的でも明るくもないけれど、静かな「和」の桜。 それはそれで、新しくて良いかも(笑)

昨年の神楽坂ミラボオでの個展では、そんな桜達が、慎ましやかに、ちょっと恥ずかし気に並んでいた
のでした。


それにしても、自分の心境・状態によって、絵はここまで変わるのか、と。 私の桜は、本当に心象風景
なんだな、とつくづく感じました。


そして、今年も桜がそこでスタンバイしています。 でも、絵はまだまだ出来上がらない。

果たして、秋の個展でお目見え出来るのでしょうか??そして、どんな作品になるのでしょうか? 
まだまだ未知数。










<SAKURA 2018>