<シャッカ / Sciacca>
地中海に浮かぶ島、シチリア島。 イタリアの最南端。
古くから様々な文明が海を渡り、ここで交差して行きました。
ギリシャ・ローマから、カルタゴ。 ビザンチン。 アラブ、北欧からノルマン、バイキングまでetc。
そして西欧の文明へと。 まさに「文明の交差点」です。
この島は、ここだけで完結している一つの世界。 もう一つのイタリア。
この絵は、シチリア南西部の町、Sciaccaシャッカを描いたもの。
南西部は、アラブの色濃い土地。 ここまで来ると、風に乗ってアフリカの香りもします。
シャッカは、トラパニやマルサラにほど近い、テルメ(温泉)と陶器で名高い海辺の街です。
9月のある日、この地を訪れました。 宿は「ロカンダ・アル・モーロLocanda al Moro」。
小さなロカンダ(B&B)ですが、徒歩1~2分のところにある同系列のレストラン「オスタリア・
デル・ヴィーコロ Hostaria del Vicolo」はイタリア中から人々が訪れる名店。 小さな店ですが
日本人の方も修行していて、たまたま日本からのワインツアーの方々とも遭遇。
この作品は、レストランと宿の間の道にある階段。
陶器の可愛らしい階段です。 とってもシチリア的な、印象的な風景。到着時、B&Bの場所が
わからずレストランに飛び込んで、ここを上って宿まで連れて行ってもらいました。 スタッフ
2人に荷物を持っていただいて。
階段と出会った時の小さな感動、はっと目を見開くような気持ち、そして嬉しさ。
そんなものの積み重ねで、旅は出来ています。
良く晴れた夏の日。 海辺の美しい遊歩道と街並、歴史ある温泉施設。 そして町中に溢れる
陶器のアトリエやお店。観光地ではない普段着のイタリア。 気さくで明るい素朴な人々。
長閑で美味しくゴキゲンな、魅力溢れる町。
またいつか、戻りたいと思いつつ。