<写真と絵について>
<パリ、サン・ジェルヴェ教会界隈> |
私は、旅をしながら絵を描き続けています。
制作は、旅の中で撮った写真をヒントに、帰国してしばらくしてからイメージで描く事が多いです。 記憶と想いを熟成させてから。
その場にいる時は、ただひたすらぼーっと漂っているだけで、CREATIVEな事はもちろん、生産的な事も全く出来ません(笑)。
そのイメージを全身で受け、ひたすら味わう事で精いっぱいで。 そんな感覚なので、何も出来ない、する必要もないと言うか。
でも、何故か写真だけは撮るのです。 カメラ任せですが、何も考えず、ひたすら風景を切り取る。 頭は空っぽで、感覚のみ。
風景を持ち帰りたい一心なのかな?
それでも、被写体と構図を決める時はワクワクで、最近ではそれもひとつの制作活動と思っていますが。 やはり構図には個性が
出るようです。 何をどう撮るか、とか。
そして、絵は、そんな写真達から生まれて行きます。
私の絵は、色彩もですが、構図も独特だと言われる事が時々あります。 それは写真の目線・構図で描いているからもあるのかも。
整ってクールな絵葉書的な画像からではなく、自分で感情を込めて「写真」という作品にした、生きたモチーフ。
もちろん、写真と絵とでは、表現したいものがその時々で違いますが。
それと、「写真作品」として自分で良いと思った一枚は、なかなか絵にしようとは思いません。
写真が最良だから。 その時点の気持ちですが。
なんとなく、写真と絵、制作について思うところをつらつらと書いてみましたが。
そんなかんじで、
結果的に、絵は私にとって、旅を数倍も楽しむ手段ともなっています。
旅の出発前のワクワク感、漂っている時の心地よさと共に、帰って来てからは、それを何度も繰り返して思い出し、ずっと
新しい夢を見続ける事が出来るから。たぶん一生涯。