2017-11-03

旅 &作品 (Viaggio& Works) 、絵のリメイクについてⅡ/ イタリア・マルケ州フェルモ(Fermo,Marche/Italia)





<フェルモ Fermo>













「中部イタリア・マルケ州の小さな町、フェルモ Fermoの広場。全く観光化されていない美しい街に迷い込み、
気ままに彷徨っていたのを思い出します。」

この作品は昨年のブログで一度載せたのですが。 久しぶりにこの絵をみて、このあたりをもう一度旅したく
なりました。

この絵は、ずいぶん前に白と青をベースで一度仕上げたものを、数年後にリメイクした作品です。
この町のイメージの一つの表現としては、以前よりぴったり来た気がします。 今のところ、これ以上手を
加えるつもりはありません。(これから先はわからないけれど。)



もう一度訪れたい街。 ある意味、リベンジに(笑)

かなり前の春の中部イタリアの旅。 一人旅が身につき始めて来た頃、20世紀の最後の年。 まだデジカメを
持っていなくて、フィルムカメラの写真しか残っていません。

精神的&肉体的に過労気味+風邪気味のまま日本を発った私は、到着したローマで早くも体調を崩しました。

それにも拘わらず、そのまま地方まわりへ。 喉と眼に来てしまい不安で辛い状態でしたが、それでも粛々と
旅を続けました。
最初にローマで、「いざとなったら保険会社に相談して病院へ行けば良い」旨を確認だけはして、最低限の
安心感と共に。

雨のスポレートからマルケ地方へ。 ファーロ、ウルビーノを経てアンコナまで来た時には、喉も腫れあがり、
食べ物もなかなか喉を通らず、白ワインが沁みるようになっていました。
(思えば、それでも飲もうとしていたのがアッパレ。。。
「うーん、白は酸が強いからなぁ。明日は赤にしよう」なんて思いつつ^^;)

この絵のフェルモは、アンコナから巡礼地ロレートを経て辿り着いた小さな町。 目的地・中世の街アスコリ・
ピチェーノの手前です。 全く観光地ではない、美しく静かな佇まいの町。


この広場の手前、左のアーケードのところに、ちいさなエノテカがぽつんとありました。
いかにも地元の店という感じの、とてもいい雰囲気のワインバー。 普段だったら絶対に吸い込まれるような
お店でしたが。 喉が痛くてワインを慣れた感じで味わう事も出来ない私は気が引けて、遠巻きに迷ったけれど
結局どうしても入れませんでした。

そして、人間には気持ちだけではどうにもならない事もあるんだ、我慢も必要なんだ、などと神妙な事を
考えつつ(=大袈裟^^;)、大人しくベッドに入ったのでした。

この日に我慢したおかげで、喉は翌日からだいぶ回復。 アスコリ・ピチェーノでは地ワインと郷土料理の
夕べを楽しむ事が出来て、ローマから帰国する時にはだいぶ回復していたのでした。


そんな事は初めてで、ずーっと身体が辛い旅でしたが。 それでも私は幸せでした。

そしてその状態でも幸せを感じている自分に驚き、もう、人生の何かが「仕方ない」んだな、と感じたのも
覚えています。

でもやっぱり。

ああ、もう一度あのあたりへ行って、そしてあのエノテカでリベンジに一杯やりたい!

って、それだけの為に行くにはかなり不便な場所なんですよね。。。まあ、またいつの日か機会があれば。


今回は、「作品について」というより、ほろ苦い旅の想い出。
最初に描いた時はもっと影が薄い絵でした、その時の状態が頭から離れなくて?

この町、また描いてみようかな。








<前の状態> 
建物を白く描く事にハマっていた頃の作品。















<その時の経路。移動は列車かバス。>