2017-11-17

徒然なるまま、花の絵について



<花の絵について>






今回の個展案内状の作品は「南仏グラースの薔薇」 ”la fontaine des roses”。
バラに彩られた噴水のある風景です。
町中が薔薇で溢れかえっていた、ある5月の想い出。
コート・ダジュールの眩い光の中、薔薇たちは華やかに咲き誇っていました。






少し前から、花を描く事が増えた気がします。
花そのものと言うより、「花のある風景」ですが。 かたちよりも色彩を中心に。

もともと花を描いた事はあまりなく、花の絵を観て魅かれる事は多くても、自分が描きたいとは思わなかったのだけれど。

春になると桜を描いたり、そういえばずっと昔にひまわり畑やヒナゲシの野原も描いてみた事はあったけれど。
それは、花を描きたいというより、満開の花の中に佇む何とも言えない「花に埋もれる感覚」を表したくて。

でも、ここしばらく、いつの頃からか、花いっぱいの風景に魅かれて、折に触れてモチーフに選ぶようになっています。

この数年、日常でも花に触れる機会が増えました。
ご縁あって、インフィオラータ(花の絨毯)を観賞したり、制作に関わらせていただいたり、押し花アート等、花の
クラフトの素敵な作品を拝見する機会が増えたり、等々。写真も、花や植物を撮影する事もあり。
以前より花が身近になっている事で、自然と花に目が行くようになり、花と少しずつ仲良しになり始めたのかな?(笑)

花の鮮やかな色彩は、自然界にあるもっとも美しい色の一つ。 花達は、凛と咲き誇る姿が一番美しく、それにはどんな
絵画もかないません。

でも、それを自分の感覚で自分なりに表現してみたら、きっと楽しいに違いない。 たくさんの花に囲まれる幸せな風景。
そうしたら、それは全く別のものとして、別の次元で楽しめる一つの作品になるのかも。

そんな風にも考えたのかな。

まあとにかく、美しい花の色彩と、それに包まれる幸せな感覚に魅かれて、いろいろ描いてみたくなったのでした。

旅の中で出会う花達。 訪れる街々には、それぞれ色とりどりの魅力的な花が咲いています。 私の中の旅の想い出・
その場所の印象に、花々は彩りを添えています。
そんな花をたくさん風景の中に入れ込んで、旅で感じた印象を彩る。 南仏らしく、とか、地中海っぽく、とか。
その土地のイメージを花で表現する。

とても楽しい作業です。 このモチーフも少しずつ、続けて行けるといいな。夢は拡がってゆくのでした。








<白い薔薇のブーケ(グラースの噴水)>
薔薇を白で描くか色彩で表現するか決められず、結局両方描く事にしました。
白薔薇バージョンは、個展直前に受難に会いましたが(笑)、何とかお目見えしました。 












<夾竹桃の咲く風景(コモ湖畔の村・ベラージォ)> 













<花のある街角(雑司ヶ谷)>












<南仏グラース> 











<南仏の花市(エクス・アン・プロヴァンス)> 











<南仏グラース>