2019-04-26

作品 / WORKS・グラースの朝 / un matin à Grasse








<グラースの朝 / un matin à Grasse>














南仏・Grasse グラース。

コートダジュールの街カンヌに程近い、丘の上の小さな町。「香水の都」と異名を取る、フランス香水産業の中心地です。

山頂への坂道の左右に広がる、花に溢れた魅力的な旧市街の街並。フラゴナールをはじめとする香水メゾンや博物館。


訪れたのは5月初旬。 偶然にもEXPO ROSE(バラ博)の前日でした。丘の頂上近くのホテルに宿をとり、バラ博の準備に
忙しい町を散策。
町は既にバラで溢れ、お店にはバラを使ったグッズやら食料品やらが並んでいます。

その中の1件のウィンドウに飾ってあったロゼワインの色とラベルに魅かれ、フラフラと入店。夜に一杯楽しみたいなぁ~
と、ハーフボトルの有無を確認する為に(笑)

もちろん、ハーフなんてなかなか売ってませんよね。。
肩を落として店を出ようとする私に、お店のムッシューが「では、貴女にはこれをどうぞ」と、飾ってあった一輪の
赤いバラをプレゼントしてくれたのでした。

翌日はEXPO ROSEの当日。 坂の上のホテルでゆっくりと目覚め、窓を開けると外は快晴。 薔薇に溢れた町の予感。
一輪のバラ越しに、グラースの家並の赤い屋根が見渡せます。


この絵は、窓辺の薔薇を主役にして、その時の気分を描いた小品。

バラは心なしか嬉しそうです。その時の私のように、そして子供のように(^-^)







2019-04-19

旅(Voyage)・2019年 新年の旅Ⅻ(les vacances de la Nouvelle An 2019)2019年1月5日土曜日、パリ / Samedi, le 5 janvier 2019 à Paris





<2019年1月、そして再びパリへ。>

















アントワープからパリへ戻り、旅も終盤です。

今回はセーヌ右岸・バスティーユ界隈の雰囲気を楽しもうと、「ホテル・ラントワーヌ」に宿泊。 スタイリッシュな
インテリアはクリスチャン・ラクロワのプロデュースとの事。

パリではいつもマレが中心で、バスティーユはさくっとしか散策しないのですが、この界隈もなかなか過ごし易いです。
良さげなカフェもあるし。

旅の終わりのパリでは、ピカソ展@オルセー以外は、何もしないでブラブラしようと決めていました。クリアランス
・セールの始まった町でお気に入りのお店を覗いたり、左岸と右岸を行ったり来たり♪
そうやって、のんびりとパリを満喫するつもりだったのですが。 今回はちょっと事情が違ってしまいました。

帰国直前に「黄色いベスト」デモの煽りを食らって、ちょっと大変だったのでした。
せっかく?なので、その時の状況を少し。


土曜の夕方、帰国直前、空港へ向かう2~3時間くらい前にサンジェルマン界隈へ行ったのですが。

オデオンでメトロを降りて改札に行こうとしたら、ホームまで白い煙がうっすら漂っていて、先に行った人達が口を
おさえながら引き返して来て「デモだ」と。
次の瞬間、眼と喉にすごい刺激を感じ、逃げた方が良いと思いました。

駅は閉鎖になり、地上に出たら、すごい混雑で、何十台のパトカーが走り回って混沌としてました。 信号もあって
ないようなもの。 危ない。 デモ自体の姿は見えず。

とにかく離れようと、セーヌ川を目指しました。 勘と記憶を頼りにノートルダム、そして右岸へ。 そのまま市庁舎
まで歩き、バスティーユのホテルまでメトロ1号線で移動。
途中、シャンゼリゼ界隈の駅々閉鎖になってるとのアナウンスありましたが、マレ、バスティーユ界隈は問題なし。

(数か所のデモ以外の場所ではみな普通に過ごしています。ホテルの人も、デモやってるの知らなかったし。)

ホテルから北駅までメトロ、そして鉄道でシャルルドゴール空港へ。
タクシーも考えましたが、通行止めに合うと返ってマズイと思い。こういう時は、そこら辺の判断も難しいですね。。

結局、問題なく空港に到着。 空港でニュースを見ながら、「あ~、あの時すぐ逃げて良かった」と、安堵したのでした。


以上、私の場合、飛行機に乗り遅れたくないと言う事情で焦っていましたが。実際どこまで大変だったのか?
わかりません。 不便はあっても大きな危険はなかったのだとは思いますが。
でも、「暴徒がサンジェルマン界隈の有名カフェの扉を破壊」とか「警察が催涙ガスを発射」とか、その日もいろいろ
あったようで。

フランスで普通に毎週起こっている事なんだ。。そして、パリの人はそれに慣れちゃってるんだ、、、と思うと、
ちょっと身が引き締まりました。
もちろん、時期と場所限定なのだし、普段は通常通りなのだろうけれど。
 
最近の状況は知りません。 少しずつ沈静化しつつもデモは続いているという情報もありますが。とにかく早く
落ち着いて欲しいものです。


いつも躍動している街、パリ。 歴史の中で常に前を向いて進み、変化しています。
パリにはまた、いろいろな事が起こっています。 あの街はこれから、どういう形になっていくのでしょう。

写真は平和なパリと、最後のパトカー、そしてホテルへ戻る途中で撮った夜景とか。




(この記事を書いた直後、ノートルダムの火災のニュースが飛び込んで来ました。。
言葉も出ません。心から残念です。 あの時見たノートルダムの姿、しばらく見ることが出来ないんだな。。。

フランスの方々、パリを、そしてノートルダムを愛する人々、この悲しい事件から早く立ち直って、前を向いて
進んで行ければ、と思います。リカバーして、更にその先へ。 パリはそうやって歩んで来たのだと思うので。)

























<ホテル L'Antoine> 













<一度入ってみたい老舗のクラブ「Barrio Latino」>
サルサの日もあるとの事。




































<Cafe des Angesで平和にランチ>











































































































<パリ市庁舎> 
ここでもこの前後に?騒動があったとの事。








2019-04-12

旅(Voyage)・2019年 新年の旅Ⅺ(les vacances de la Nouvelle An 2019)アントワープ・美術館(ベルギー) / Antwerpen/Museums(Belgium)



<アントワープ・美術鑑賞>









<ルーベンス「キリスト降架」>
(聖母大聖堂)





アントワープでは、美術館巡りの一日を。

アントワープの栄華がしのばれる、芸術品の数々。 とても観切れませんでしたが、そのうちのいくつかを
サクッとご紹介します。






<Rubenshuis>ルーベンスの家



アントワープの誇るバロック絵画の巨匠ピーテル・パウル・ルーベンス。

ルーベンスの邸宅は、今は美術館として公開されています。 17世紀、宮廷画家であったルーベンスは、
同時にアントワープとイタリアを拠点に外交官としても活躍し、富を築きました。 交友関係も広く、
自宅にゲストを招き華やかな生活をしていたとの事。

宮殿風の邸宅もバロック風で、貴族風の趣味の良い家具や調度品を観る事が出来ます。 残念ながら工事
中で全貌はわかりませんでしたが、住居部分とアトリエ部分に分かれており、美しい中庭もあります。

巨大なアトリエでは弟子達が作業をし、膨大な作品を生み出しました。 工房的ですね。 当時の絵画制作
の状況がしのばれます。

そして、自身の作品も数点展示されています。 その中でも(ルーベンスには珍しいとされる)自画像は、
偉大な作家を身近に感じる事の出来る印象的な作品でした。





















<自画像> 











































<左側がアトリエ、右側が住居棟>
手前は庭園です。
























<聖母大聖堂>



日本では「フランダースの犬」で有名になったアントワープ大聖堂。

1352年に着手され200年近くをかけて建設されたゴシック様式の大聖堂。 ネーデルランド最大級の大聖堂
です。

素晴らしい建築、装飾と共に必見なのは巨匠ルーベンスの傑作群。

『キリストの降架』『キリスト昇架』『キリストの復活』『マリア被昇天』の計4枚が飾られ、間近で
鑑賞する事が出来ます。 なんという贅沢!!
ネロ少年が憧れ、クリスマスの夜に祭壇の前でパトラッシュと共に息絶えたというお話の、あの作品
群です。 
昔は一般には公開されず鑑賞は有料だったとの事。なかなか観る事が出来ず、憧れ続けたのですね。。
聖堂前の広場には、ネロとパトラッシュの像が設置されていました。

鐘楼は世界遺産にも登録され、内部は美術品の宝庫となっています。 じっくりと時間をかけて静かに
鑑賞したい場所。












































「マリア被昇天」































<「キリスト昇架」> 














<ルーベンスではないですが、印象的な絵です> 









<プランタン・モレトゥス印刷博物館>



世界最古の産業印刷工房(16世紀~)である、プランタン・モレトゥス印刷博物館。

記録文書と最古の印刷機、工房や活版印刷の道具は、世界遺産にも登録されています。

グーテンベルクが15世紀に印刷を発明し、それから半世紀ほどで、当時国際貿易港として繁栄していた
アントワープへ。 そして、印刷産業は、最先端のメディア産業として注目を集め、花開いたのでした。

工房は社交界の中心としての役割も果たし、ルーベンスや文化人との交流も盛んとなりました。
サロンには、ルーベンスの描いた肖像画が何点も飾られています。 本好きな方々必見の、美しく興味深い
博物館です。






















<ルーベンスの作品> 















































































<聖ヤコブ教会>



15~17世紀建設。 ルーベンスとその家族の墓があります。 もともとは、巡礼者のためのチャペルで、
サンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道のひとつにも含まれています。

墓石の上部にはルーベンス自身の作品『聖人に囲まれる聖母』が飾られています。










<ルーベンスの墓所> 





















<マイヤー・ヴァン・デン・ベルグ美術館>


19世紀後半の美術収集家であったフリッツ・マイヤー・ヴァン・デン・ベルグが残した作品が展示
されている素敵な邸宅です。 
絵画、彫刻、写本、タペストリー、陶器、ステンドグラスなど3000点以上の芸術品。 ゴシックと
ルネッサンス期を代表するネーデルランド芸術の至宝ばかりが集まります。(写真は撮り損ないました。。)


お目当てのブリューゲル「狂女フリート」は、残念ながら貸出中で観られませんでしたが。。 
また行かなければ(笑)






<肉屋のギルドハウス>



「ギルドハウス」は、昔の産業組合の建物です。 
アントワープの肉屋のギルドハウスは、16世紀初めの後期ゴシック様式。 19世紀中頃までは、実際に
肉市場として使われ、その後ワイン倉庫や劇場として利用されていたとの事。 
現在は古楽を中心とした楽器博物館となっています。 これ、楽器好きな人が喜びそうな感じです♪ 
その他、絵画や陶器も展示。


















































数々の教会、現代アート、建築等々。 アート的にも見どころが多い街です。

王立美術館やモード美術館など、お目当ての美術館で閉館中のところも多く。 現代アートミュージアム
M KHAも行かれなかったし。 また行かなければ。



それにしても、美術館の事を書くのならちゃんと写真を撮ってくれば良かった、とちょっと後悔(笑)
観るのと感じるのに忙しくて、 記録としての写真を撮るの、すっかり忘れてました。。

まあ、思うところはキリがありませんね。









2019-04-05

旅(Voyage)・2019年 新年の旅Ⅹ(les vacances de la Nouvelle An 2019)アントワープ(ベルギー) / Antwerpen/Anvers(Belgium)





<アントワープ>






<中央駅Antwerp Centraalの時計> 







アントワープ Antwerpen/Anvers 。 歴史ある国際港湾都市、古くからの経済の中心地。

ダイヤモンドの研磨でも名高くダイヤモンド産業の中心地としても繁栄しました。 町中にダイヤモンドの
お店が並んでいます。 フランドルの中心地であり、フラマン語(オランダ語)圏。ムードある都会です。

遠い昔に降り立ったアントワープ中央駅は、数十年の年月を経てすっかり近代的になっていましたが、
建物とホール、そして大時計はそのままの姿で迎えてくれました。 駅とは思えないほど、美しい佇まい
です。

この町はバロック芸術の都。 ルーベンスの街としても名高く、その邸宅は美術館となっています。

壮麗な建物が並ぶ、華やかで独創的な中世都市。 数々の美術館や教会で、素晴らしい絵画を観る事が
出来ます。美の宝庫であり、独創的な雰囲気の街です。

ドリス・ヴァン・ノッテン等、数々のクリエーターを輩出したモードの都でもあります。 残念ながら
モード博物館は改装中でしたが。


日本では「フランダースの犬」で名高い街。 舞台となった聖母大聖堂には、ネロが憧れたルーベンスの
絵を観る事が出来ます。 大聖堂の前にはネロとパトラッシュの像が。ちょっと可愛らしすぎない?とは
思いますが(笑)

コスモポリタンなこの町で、レトロなB&Bに泊まって羽を休めながら、美術館やクリスマス・マーケット
を楽しみます。


































<港湾地区にある市のアートセンター「MAS」> 



















<展示のポスター> 









<MASからの眺め> 










































































<市庁舎の工事現場のパーテーション。カワイイ!> 



























































<Xmasマーケット> 

















<中央駅 Antwerpen Centraal のホール> 












































































<大聖堂前のネロとパトラッシュ>








































































<B&B Urban Dreams> 





























<B&B前の広場>