2017-03-24

旅(Voyage)・北西フランス・ブルターニュ&ノルマンディー Ⅶ バイユーのタピスリーについて / Normandie/France Ⅶ Tapisserie de Bayeux)




<バイユーのタピスリーについて>







<博物館入口>
世界遺産のタペストリーが展示されています。






カーン訪問のもう一つの目的は、近郊のバイユーで世界遺産の「ウィリアム征服王のタピスリー」を観る事でした。

11世紀に制作された長さ約70m幅0.5mの大作です。タペストリーと言っても織物ではなく、ここのは刺繍画。 亜麻に
毛糸の刺繍。
11世紀のフランスとイングランドにかかわる歴史的遺物であり、また当時の服装や武器、軍船、戦闘方法などを伝える
貴重な史料でもあります。

タペストリーは全部で58場面で構成されており、ウィリアム征服王のノルマン・コンクエスト※について描かれたもの。
図柄には、人物や馬、犬や様々な生物が何百も描かれ、船や武器、荷車等、当時の様子がうかがえます。
各場面にはラテン語の文章が添えられています。

(※中世のノルマンディーには、ノルマン人(ヴァイキング)がノルマンディー公国を作っていました。その王である
ウィリアム征服王がイングランドを征服したのがノルマン・コンクエストです。)


こんな素朴な作品が千年近くも残っているなんて、本当にすごい事ですね。

シンプルで単純な絵柄がちょっとコミカルで微笑ましくもあり。 題材はウィリアム征服王とその戦い、とてもシュール
なんだけれど。 。

鑑賞しながらしみじみと、戦闘に明け暮れた中世の時代を思い、現代人の平和な生活を考えて複雑な気持ちにもなった
のでした。 当たり前ですが、やっぱり平和がいいなぁ。。




以下、タピスリーについての説明を引用します。 今回は歴史やモノ造りが好きな方々と、タピスリーを共有する記事(笑)

(WEBから抜粋。美術館は撮影禁止だったのでm(__)m )


「タペストリーは最後の2場面が失われており、幕引きの部分を見ることはできない。この欠損部分はバイユーのタペストリーを巡る謎の一つとなっているが、歴史的経緯からの推測で、ウィルアム1世の戴冠式の様子が描かれていたに違いないと考えられている。

一般にタペストリー(フランス語:タピスリー、つづれ織)と呼ばれるが、技法的には誤りで、織物ではなく刺繍作品である。亜麻の布地に、青、茜、黄色など自然素材で染色された毛糸が使用されている。刺繍技法としては、線を描くアウトライン・ステッチを基本に、バイユー・ステッチ (point de Bayeux) と呼ばれる、輪郭の内側を糸で密に埋めていく手法が用いられている。」



<刺繍画の細部>