2025-02-18

旅(Viaggio) / Sicilia / Ceramiche “Testa di Moro” シチリア陶器「テスタ・ディ・モーロ」について



 <シチリア陶器と「テスタ・ディ・モーロ」>









シチリア島は陶器の名産地。
陶器の街カルタジローネをはじめ、島中にカラフルで魅力的な陶器が溢れます。
伝統的デザインから現代陶器まで、色とりどり。


今回は、その中でもシチリアならではのデザインの一つ「テスタ・ディ・モーロ」について。
シチリアを歩いていると必ず見かける、男性と女性の頭の置物です。


風光明媚で歴史あるリゾート地タオルミーナでは、様々な種類のシチリア陶器と出会えます。
お土産物から本格工芸品まで。陶器好きにはたまらない町です。


テスタ・ディ・モーロのあるバルコニーは、シチリア的風景。
こちらは伝統的なデザイン。シチリアの強い日差しと濃厚な文化を感じます。

この濃さがたまらなく魅力的✨うーん、シチリアへ行きたい。



テスタ・ディ・モーロとは:
ムーア人男性とシチリア人女性の頭のペアの置物。

シチリアがアラブ人(ムーア/モーロ)に支配されていた時代。
あるムーア人男性がシチリア人の美しい娘に恋をし、2人は共に過ごすようになります。

しかし、男性には実は故郷に祖国に妻子がいて、それを知った娘は、裏切られた怒りと悲しみ、
そして諦め切れない愛の為、男性が眠っている間に首を切り落としてしまうのです。

彼とずっと一緒にいられるようにと、娘は自分のバルコニーに男性の頭を置き、バジルを植えました。
そのバジルがあまりに立派に育つため、近所で評判を呼び、皆が同じようなアラブ人男性の頭の形をした鉢を
陶器で作らせるようになりました。

これがテスタ・ディ・モーロの起源と言われています。

何とも中世&シチリア的な、物騒で濃い話ではありますが💦
その置物が大人気で、現代ではシチリア中に溢れているというのも、いかにもイタリア的な話かと。

そしてその濃さの魅力が病みつきになり、旅人はシチリアを目指すのかもしれません。






















<現代陶器バージョン>













<下は3本足の「トリナクリア」>
同じくシチリア名産のシンボル















































































シチリアは陶器の宝庫。街角で見かけたものも少しアップします。

















































2024-12-15

旅(Voyage)2024 / サントロペと画家達(St.Tropez, Provence, Côte d'Azur / France)



<サントロペと画家達>






<中央は Paul SIGNAC シニャックの作品>







サントロペに憧れたのは、城砦から臨む風景の写真に魅せられ、シニャックやマルケの絵を知ってからでした。

この町ではやはりここへ、という事で、ラノンシアード美術館 Musée de l'Annonciade へ。

20世紀初頭、単なる漁村だったサントロペの素朴さと陽光に魅せられたシニャックを始め、
マティス、ドラン、
ボナール、マルケなど、サントロペを愛した画家達の作品を展示。素晴らしいコレクションです。










画家達に愛された、名もない素朴な漁村だったサントロペ。

その後、ブリジット・バルドーにより世界にその名が知れ渡り、現代のサントロペはセレブの集うシックなリゾート地
となりました。

ポール・シニャックやアルベール・マルケ、画家達の描いた昔のサントロペ。 町が今のように華やかになる以前の、
漁村の佇まいを描いた作品は、心に響きます。

大好きなマルケの描いた風景。一瞬でもタイムスリップして、その時代のサントロペに戻ってみたい。

今は巨大なクルーズ船がたくさん停泊している旧港。それはそれで華やかで良いけれど、全く別のもの。
絵のような面影はどこにもありません。夏期のせいか、これがいつもの風景なのか。




「画家達がみたような昔の風景に想いを馳せて心に描き、クルーズ船のないイメージで、現代のサントロペを
描いてみるのも面白いかもしれない。」
と、ふと思いつきました。 

うん、そのうちやってみよう。
無くなってしまった風景も、心の中の景色も、自由に表現出来るのが絵なのだから。





<Albert MARQUET マルケの作品>







































<Albert MARQUET マルケの作品>















<PICABIAの作品>

































2024-12-05

情報(Information)・葉山アロマンス(フレグランス)とのコラボが始まりました!



<葉山アロマンスとのコラボが始まっています>










Hayama Aromance は、2022年に誕生した葉山発のフレグランス・ブランド。
葉山マリーナ内の本店から始まり、自由が丘店・横浜SOGO店もオープンしています。

コンセプトは、「南仏と葉山のマリアージュ」。そして「物語のある香り」。
香りがある素敵なライフスタイルを提案しています。

ブランド誕生のきっかけは、ニースのミモザ祭とのこと。
素敵な香りも夢いっぱいのストーリーも、エレガントで心地よい時間に繋がります。



そんな素敵なブランドと、今回お仕事をさせていただく事になりました。

春のキャンペーンで、商品をお買い上げくださった方々へのプレゼントの絵はがきとDMの作品を担当しつつ、
3店舗に油彩小品を展示します。(スケジュールは未定ですが、ミモザの季節・3月までを予定。)

私自身が、南仏をメインモチーフの一つとして描き続けている事、
以前からフランスの香水とのコラボ等々もさせていただき、制作の上で香りが身近である事、
そして鎌倉の出身で、海を身近に活動しているという点も、
ブランドコンセプトと通じるものが多いという事で。

フレグランスは絵の制作とリンクする事も多く、相乗効果となってイメージが膨らみます。



葉山界隈のマリーナ風景は、確かにコートダジュールのハーバーのような景観。
先日訪れたサン・ラファエルなども彷彿とさせます。

大好きな南仏、そして葉山。
所縁と愛着のある土地をコンセプトとする、地元の素敵なブランド。 身近に感じ、これからが楽しみです✨

葉山・鎌倉方面の皆様もそれ以外の方々も、ぜひ香りを感じてみて下さいね☺️


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「葉山アロマンス」 https://hayama-aromance.jp/
葉山マリーナ本店・自由ヶ丘店・横浜そごう店

「南仏と葉山のマリアージュ」と「物語のある香り」をコンセプトに、 香りがある素敵なライフスタイルを提案しています。

南仏グラースに学んだ調香師・日本の第一人者、森日南雄氏の生み出す香りは南仏そのもの。
それぞれの香りに物語と音楽があります。サウンドとアロマの融合。
数々の経験と人生の深みを感じる、魅力的な香りです。


<Imperial Villa> は御用邸をイメージしたエレガントな香り。 現代的でありながらフレンチ・バロックが聴こえるようなイメージ。
(モナコ公国ともどこかイメージが重なります。)
ラベンダーにネロリと柑橘も効いた、すごく好きな感じのユニセックスな香りです。
パッケージのデザインは、葉山の等高線がモチーフというこだわり。

潮騒とドヴュッシーの音楽を感じる心地良い香り<le Rivage>(海岸通り) や、
オードリー・ヘプバーンへのオマージュ・エレガントな<Aromance Audrey> 等々、
様々なフレグランスやレイヤードアロマ、コスメ等々のラインアップです。

色彩豊かなコートダジュールのイメージのバッグや小物も、いかにも南仏ハーバーのお店にありそうな感じでチャーミングです。
















































































2024-11-28

旅(Voyage)2024 / サントロペ / 陽光を求めて南仏へ(St.Tropez, Provence, Côte d'Azur / France)



<St.Tropez>











南仏・サントロペにて。

長年夢みていた美しいリゾート地、一度は来てみたかった場所。
華やかな世界を垣間見ました。
たくさんのクルーズ船が停泊しています。

束の間、すっかりフレンチ・バカンスに染まっています。










































「優雅なバカンスは自分には縁がない、そういう場所に行くと天気に恵まれない。」
バカンス体質ではない私は、バカンス地というものを近年まで訪れずにいました。

それが、歴史とストーリーのあるヨーロピアン・バカンスを知ってから、雰囲気とその文化を味わいたい為に、
少しずつ訪れるようになりました。

それにも拘らず、サントロペだけは、そのアクセスの不便さと敷居の高さ?から足を踏み入れた事がなく。
城砦の山の上から、港を背景に旧市街と教会を臨むあの風景は、永遠の憧れでした。





















































今回思い切って、6月中旬のサントロペに一泊。

丘の上、城砦の麓にある小さな部屋に泊まり、街を見下ろしながら素晴らしい時間を過ごしました。
街中を何周もしながら、気に入った場所に何度も行き。ひたすら町並みを味わった二日間。

オシャレで軽快、華やかなリゾートの街並みは、こぢんまりとしていて楽しい雰囲気。セレブでなくても
楽しめる街です。

想像よりも親しみ易く、全体的には、人を寄せ付けないリュクスな空気は感じませんでした。
(グラン・メゾンは興味無いので近寄らないし、確かに物価は高いですが。。。)










































































右のハズレの静かな湾 漁師の居住ポンシュ地区La Ponche
埠頭の端まで歩き、喧騒を離れて町外れの静かな湾で一息。お気に入りの場所。













リス広場

遠目には一見、土埃のひどい広い駐車場のような感じで、なぜここが名所?と思ったけれど。
近づいてみたら、おじさま方が、時に土埃を立てながらペタンクに励んでいました!

美術館には、確かにそのシーンが描かれた作品も!(シャルル・カモワン作)




















カモワンの作品にもある “Cafe des Arts”











なぜか、モーターショー?開催中。








タルト・トロペジェンヌ

町の名物、タルト・トロペジェンヌ Tarte Tropezienne は、ブリオッシュにクリームを挟んだもの。
専門店で買った小さなタイプと、Sénéquierでトライしました。

サントロペの老舗カフェ、真っ赤なテントの「セヌキエ」Sénéquierは、町で一番のおしゃれスポット。
ここまで来たらやはり一度は、と言う事で。
(巨大なトロペジェンヌ Tropézienne Sénéquierは、美味しかったけれど三分の一くらいで充分な感じ。
価格は17ユーロでした!)






























<St.Tropez の名物カフェ、Senequier セヌキエ>











<街に数件ある Tarte Tropezienne屋>











<ミニサイズを購入、ホテルにて>


























一泊して満喫した翌日の夕方、町外れのバスターミナルから、次の目的地へ。
今回の旅のメインの一つ、イエールへ向けて。


<アクセス>

鉄道駅は無いので、公共のアクセスはバスかフェリー。
サン・ラファエルからフェリー(所要約1時間程度、冬期は無し)またはバス(1時間半)。