2013-02-13

旅(VIAGGIO)・タルクイニアTARQUINIA 1 (ITALIA)


タルクイニア TARQUINIA。

ローマから列車で北西に1時間ほど。その歴史はローマ以前のエトルリアにまで遡る中世の街です。
今回の旅行の一番のdestination(目的地)。









駅から丘の上の街までは4キロ程度。バスはあてにならないので、ホテルに頼んで迎えに来てもらいました。ネットでみつけた
「RESORT DUOMO」は、歴史ある建物の中にある小さく魅力的で上品なB&Bでした。 http://www.tarquiniaresorts.it/it/
各部屋にエトルリアの女性の名前が付けられています。私は「LUCREZIA ルクレチア」に宿泊。 とてもフレンドリーで、
街の情報やおいしいレストランも教えてくれました。


普段の旅では、未知の田舎町を訪ね歩くのが好きなのですが、年末年始は、あまりに辺境だと寂しく不便なのでは?と訪問先を選ぶのが難しく。
パリやフィレンツェ、ローマ等の馴染みの都会に滞在したり、そこから1~2泊で郊外に出たりします。

今回は、以前から興味のあったエトルリアの遺跡の町タルクイニアTARQUINIAを選びました。
街の観光局にメールで確認したところ、心配無用で遺跡・博物館はすべてオープンしているとの事。 しかも私が訪れる日は伝統のイベント
”PRESEPE VIVENTE”があると。 それは何?と思いつつ、期待に胸を膨らませ。


TARQUINIAは山頂の街ですが、実は海にも近く。 見晴らしが良く、遠くにティレニア海(地中海)が臨めます。
細く曲がりくねった中世の路地を歩いていると山奥の村にいる気分になりますが、視界が開けると遠くに海が見えます。 独特の雰囲気。






 







  

 


 
 
 




 
 
 
 






 





 
 








 



 


 
 



 


<遠くに地中海を臨む街>





 
  




 
 
 
  
 
 


 
<街の人達が集うBAR>
 
 
 
 
 

まずは街を一回りして一息ついた後、いよいよ遺跡へ。
町外れにある遺跡、ネクロポリは「死者の町」と呼ばれるエトルリアの墓地群。紀元前5~6世紀頃の遺跡。世界遺産に登録されています。
見晴らしの良い丘の上、広々とした野原の地下に墓地が点在。 現在は保護されていて、設置された階段を下りて自分で点灯して見学します。
壁画が素晴らしい。 美しく、お墓なのに幸福そうな絵です。 



 
 
  
 
 
 



 
 
 
 
 
 
見晴らし台に立ち眼下に広がる景色を眺めると、平原の中に小高い丘がいくつか見えます。そこにかつてエトルリアの街があったとの事。
今は建物もなく、木や草で覆われています。
郊外の丘の上に作った墓地群の方が後世まで残り、新たな街が出来て発展したのですね。

墓地のある野原に佇み、風に吹かれながら古代に想いを馳せる。歴史のロマン。

 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<この建物の地下が墓地>






エトルリアには独自の死生観があったそうです。
エトルリア人にとって死は、「A PLEASANT CONTINUANCE OF LIFE」(ロレンスによる)であり、明るく軽やかでのびのびとした世界が死後も
そのまま永遠に無限に続いていると考えられていました。 死は単に一つの通過点であった訳です。

壁画に描かれている生前の豊かな生活の様子や、埋葬された宝石や品々からもそれは想像出来ます。飲めや歌えや踊れやという感じの、
楽しそうで陽気な壁画が多く。
煉瓦色の赤とターコイズがかった鮮やかな青が特徴的な、数々の壁画。

「こんな死生観を持っていたなら、死ぬのも怖くないし、死後の世界がそんなに楽しいなら、決して生まれ変わりたいとか思わないんだろうなーー。。。」

などと、

野原に点在する墓地を回りながら気持ちの良い風に吹かれて、とりとめなく考えていました。


 








 

 
 
 
 
 
 
 

エトルリアとは、紀元前8世紀から紀元前1世紀ごろにイタリア半島中部にあった都市国家群。イタリア中部の先住民族。
当時としては高い文化と建築技術を持ち、その技術は古代ローマにも継承されている。 イタリアの建築に特徴的なアーチ等は
エトルリア文化発祥とも言われている。
紀元前4世紀、ローマの勢力が強くなると、周縁の都市から順に少しずつローマに併合され、最終的には完全にローマに同化した。

エトルリア美術も興味深く、装身具、陶器や青銅器等や石棺も多く発掘されている。 イタリア中部(ラツィオ、トスカーナ、ウンブリアあたり)には、
エトルリアに起源を発する街も多い。


ペルージャ、ヴォルテッラ、ヴィテルボやトスカーナの街々等、素敵なところです。 またの機会に紹介したいと思います。
イタリア中部では、エトルスキ(エトルリア人)の子孫という事を誇りにする人々も多いとの事。
古代文明には珍しく女性の地位が確立しており、壁画や彫刻・石棺等にも女性が多く登場しています。 素敵な女性達です。
タルクイニアの博物館のミュージアムショップには、「LA DONNA ETRUSCA(エトルリアの女性)」という本もありました。



 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 






 


 
 
 
 
<博物館の窓から。海の見える夕暮れの風景>
 
 



<エトルリア博物館。
青銅の燭台や像が興味深い。>

 



<有翼馬(Cavali Alati)
エトルリア芸術の頂点と言われている。>