2015-07-31

旅 ( VOYAGE) ・初めての旅について "Meine erste Reise in Europa" (mon premier voyage en Europe)




<初めての欧州旅行について>







<朝のヴェネツィア>








<朝のヴェネツィア・ドージェ宮> 






初めての旅は卒業旅行。 地球の歩き方を抱きしめて初春(2~3月)のヨーロッパを放浪しました。 忘れられない思い出であり、
今となっては、あれが人生を変えたと思える経験でした。


ドイツ語クラスの女子3人で「せっかく言葉も勉強したので行ってみるか」くらいの軽い気持ちで出発。
ロンドン到着後、言葉の通じる雪深いドイツからオーストリアへ。 そして南欧を巡り、パリから帰国。 40日間の放浪の旅。


日本を発って半月ほど経ち、旅程も半ばでゲルマン的ヨーロッパにすっかり慣れていた頃、ウィーンから夜行列車でヴェネツィアへ
入りました。 ドキドキしながら、いよいよラテン語圏へ突入。

朝5時過ぎ、早朝のまだ真っ暗なイタリアに到着。 乗換の駅の雑踏。 既に熱気で一杯でした。

乗り継ぎに時間がない為、躊躇するヒマもなく窓口で「何番ホーム!?」と叫び、「5番線(ビナリオ・チンクエ)!」と言われた
やりとりが人生最初のイタリア語。 そこで何かのスイッチが入った気がします。

初めての南欧。 空気も色も音も匂いも、何もかも違う。  今思えば、あれが人生が変わった瞬間だったのかも。


その後、薄明るくなり始めたヴェネツィアVeneziaサンタルチア駅に到着。 まだ人影もなく、霧で数メートル先も見えず方角もわからず。 
駅前の石段に座り、運河の水音を聞きながら夜の明けるのを静かに待ちました。
あの時の様子を今でも思い出します。
(明るくなって霧が晴れたら目の前が運河だったのにはびっくり。 あのまま歩き出していたら落ちるところ。) 



誰も言葉が出来ない中、英語はなかなか通じず。 それでも旅は続きます。 どんどんエキサイティングに、サバイバルになりながら。
ハッタリだけで(!)自然と自分から前に出る事が多くなりました、「六か国語会話」をバイブルとして身振り手振りで。

帰国する頃には駅のアナウンスのスペイン語が少しわかる気がしたり(カンペキに気のせいでしたが)、
フランスでパン屋さんと会話したり(ほとんど通じてませんでしたが^^;)。
環境に順応し易いのと思い込みが激しいのと。 まあ、南欧や言葉と相性が良かったんでしょう。

楽しくエキサイティングな毎日。 そして、もう元には戻れないという予感。


最後に一週間滞在したパリは、美しく哀しい、薄いブルーグレーの印象だったかな。 曇りや小雨で、アンニュイという言葉がぴったり。
もうすぐ帰らなければ、と寂しく暗くなっていた私の気持ちもあったのかも。

帰国便が成田に着地してしまい、安心したと同時に涙がこぼれた瞬間をまだ覚えています。 それほど印象深い旅でした。



あれから長い年月が経ち。 いろいろなものが変わって行くけれど、私は変わらずここにいてあの想いを追い続けています。

違うのは、追い続けるのが当たり前となり、身体にしみ込んで自分の一部となり、ほとんど無意識になっている事。
そして、より冷静に、より情熱的になっている事でしょうか。

これから自分がどう変わって行くのか、楽しみでもあります。 そうやって、やっぱり旅は続いていくのかな。




(*写真は数年前のものです、その時訪れたうちのいくつかの街。 ヴェネツィア、フィレンツェ、ミラノ、マルセイユ、そしてパリ。)









<ヴェネツィア、サンタルチア駅の前の運河。> 












 
 
 













<フィレンツェ> 



 
 




<フィレンツェ>



 


<ミラノ、ナヴィリオ運河界隈。 昔日のミラノの残る地区。>








<マルセイユ、旧港> 








<パリ、ノートルダム寺院>















2015-07-24

作品 / Works・マントン / Menton,Côte d’Azur & ラルチザン・パフュームによせて





<L'ARTISAN PARFUMEUR ラルチザン・パフュームによせて>














マントンMenton、大好きな場所です。 昔からこの港の風景に憧れていました。

フレンチ・リヴィエラ、コート・ダジュールの東端。 イタリアとの国境にある素敵なリゾート地。 Jean Cocteau ジャン・
コクトーの町であり、 新春のレモン祭りでも有名なところ。


この作品は、2013年夏のラルチザン・パフュームとのコラボ企画での個展 "Le retour à la mer ~海のある風景~" の為に
描いたもの。 煌めく紺碧の地中海とレモン・オレンジをイメージし、気持ちを込めて様々な青で表現した作品です。

この時の展示は、2つの旅の香水によせて、「フランスの海」を様々な色彩とイメージで表現するというものでした。

華やかに煌めく地中海と、静かに広く普遍的なイメージの大西洋岸の海。それを2つの香水(ANANA FIZとCÔTE D’AMOUR)
のイメージと共に表現する、という、難しくも刺激的で楽しい仕事でした。

(この時の展示が私の中で、翌年のカロカロハウスでの「Verso il mare ~海へ」に繋がっています。)


展示の際にBlogに書いた記事を、以下に抜粋します。

http://atsuko-k.blogspot.jp/2013/07/exhibition.html
http://atsuko-k.blogspot.jp/2013/07/exhibition_25.html
http://atsuko-k.blogspot.jp/2013/08/exhibitionlartisan-parfumeur.html



ラルチザン l’Artisan Parfumeurでは、イスタンブル、シチリア、色彩の旅、セヴィーユ、そしてフランスの海と、様々な
コラボや展示をさせていただきました。

旅の香水とイメージを共鳴させて描くという幻想的かつ刺激的な仕事で、一連の活動により、私の意識と感覚もかなり
インスパイアされた気がします。それぞれの香りにも刺激されて。

(フレグランス: Traversée du Bosphore, Mandarine, Séville à l’Aube, Côte d’Amour, Anana Fiz)



その中心となり、場を与えて下さったラルチザン・パフューム表参道店。 残念ながら7月20日で閉店となりました。

表参道の路地から、様々なイベントやプロモーション・コラボ等、素敵な企画で香水というものを一つの文化として広めて
いた素晴らしいお店でした。 本当にありがとうございました。 お店の方々、皆様に心から感謝です。

フランス本国では「香水」はひとつの文化であり、確立した地位を持っています。 そして、香りは人生に欠かせないもの。

日本にはまだ馴染みの薄かったその概念を、表参道から密やかに、でもしっかりと確固たる信念を持って発信していた
かけがえのない場所。


ラルチザン・パフューム表参道、そして茅ヶ崎・カロカロハウス。
大切な場所も人々もどんどん移り変わって行くけれど、たくさんの想い出と繋がりは心の中に残っています。
それをこれからも大切にして、育てていければいいな、と。

全てのものと人々に、心からの感謝と愛を込めて。


                     
  
 
 
 
 
≪ 最終日(7月20日)に撮った作品≫
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 











 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
≪以前の展示の時の写真≫ 懐かしく素敵な想い出。
 
 
 
 

 <Traversee de Bosphore (イスタンブル)>
2010年の展示
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
<Le retour à la mer >
2013年
 
 
 
  
 
 
 
 
 
  

<Mandarineマンダリンに寄せて(シチリア) >
2011年 
 
 
  
 
 
 
 
 
 

<Séville à l’Aube セヴィーユ >
2012年
 
 
 
 
 
 
 

(このBLOGでは、l’Artisan Parfumeurの展示関連の記事はCategories(画面右) に「香水」のラベルをつけていますので、
ご覧いただければ嬉しいです。)
http://atsuko-k.blogspot.jp/search/label/%E9%A6%99%E6%B0%B4%EF%BC%88FRAGRANCE%29
 







 

2015-07-17

徒然なるままに(写真を撮るという事。)


 


<写真を撮るという事。>

 


 



<le quartier Marais, Paris>
 
パリ、 マレ地区にて





やはり自分は写真を撮る事が好きだなー、と最近改めて思います。


初めての欧州旅行は卒業旅行でした。 そしてそれから数年、恒常的に旅を始めた頃。 ファインダーを覗いて自分の思う図を
切り取る。 そのシャッターのパシャッという感覚に魅せられ、一眼レフを購入しました。
それからは、一眼レフがいつも旅のお供となり、それはデジカメになっても続いています。  旅のアクティブな生活の中、
軽くはないカメラを首からぶら下げて。
機械モノは苦手で、取説は読まないし(笑)、ひたすらカメラ任せですが。

それでも、もう一歩踏み込んで写真をやってみようとは思っていませんでした。

今はカメラの性能が良く、誰もが皆きれいな写真を撮れます。 しかも被写体が良ければ、それだけで美しい。
「それ以上のステージって?その違いは??良い写真って何?」という事がわからず。
そして、「それ以上」を極めるには私は向かない、と。 機械も苦手だし、未知の果てしない世界に踏み込む余裕も無く。
そんな私にとって、写真は、あくまで旅の記録、自分の記憶の証であり。 そして、絵を描き始めてからは、そのモチーフでした。

そして、写真を撮るのは旅行の時のみ。 想い入れた風景を切り取って持ち帰りたい一心で、ひたすらシャッターを押していました。
そうやって撮った写真の中で、結果的に偶然気に入ったものが出来るととても嬉しく、うっとりと眺めたものですが^^;
そしてBLOGに掲載してみたり。


でも、旅を重ねて行くうちに思い始めました。  ここ数年の事。
「いつも同じことを繰り返している、その状態を少し変える為にテーマをいくつか決めて旅しよう」と。
そのテーマの一つが写真でした。せっかく撮るなら、アートのひとつにしてみたいと。

まさにその頃、一つの転機がやって来ました。 偶然が重なり、写真塾へ参加する機会を得たのです。 たまたまのチャンスに、
迷わず思い切って飛び込みました。 何かひとつの取っ掛かり、ヒントがあるかと思い。

まずは「良い写真とは?偶然でなくそれが撮れる方法は?」そして「写真で個性を出すとは?どうしたらそれが出来るのか?」
という疑問を解決したいと。
まあ、難しく考えず、ひとつのきっかけとして、少なくとも「写真を撮る」という事に対する姿勢が少し変わるかも。
と思ったのでした^^;


そして今私は、写真を撮る事が楽しくて仕方ありません。

(ちゃんと勉強しないので^^;)やっぱり理論は全くわからないまま、カメラ任せの自己流の撮影も変わりませんが(苦笑)
でも、いろいろな事、姿勢と視点、向き合い方は少―しずつ変わっている気がします。 そして、いつもカメラを持ち歩いて
います。
目がカメラ状態(笑)で、気づくと良いシーンを探しています。  ファインダーを覗いて構図を決める時は、ドキドキワクワク。

まず当面は、自分が楽しく、見て下さった方々に何かを感じていただければ良いな、と思っています。

でも、アートとして、自分自身として、どんどん次のステップへ進みたい。 そしていつの日か、自信を持って写真の個展が
開けるようになれると良いなぁ。 なんて、思うのでした。 まだまだ始まったばかり^^



 
 
 




<Groznjan, Croatia>
グロジュニャン(クロアチア) 










<Motovun, Croatia>
モトヴン(クロアチア) 
 
 
 
 
 
 
 
 


<Bayeux, Normandie (France)>
ノルマンディー、バイユー(フランス) 
 
 
 
 
 
 
 
 


<Aix-en-Provence>
南仏、エクス・アン・プロヴァンスの菓子店 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 <Aix-en-Provence>
南仏、エクス・アン・プロヴァンスの街角 
  
 
 
 
 
 
 
 
 


<Ruvo, Puglia>
南イタリア・プーリア州、ルーヴォの大聖堂
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 <Lecce, Puglia>
南イタリア・プーリア州、レッチェの街角
 
 
 
 
 
  
 



<Palma de Mallorca>
スペイン・マヨルカ島、パルマ・デ・マヨルカの大聖堂
 
 
 
 
 
 
 
 
 


<Ortigia, Siracusa(Sicilia)>
オルティージャ、シラクーザ(南イタリア・シチリア島)  
 
 
 
 
 
 
 
  


 <Bagueria, Sicilia>
南イタリア・シチリア島、バゲーリアの街角

映画「シチリア・シチリア」の舞台となった、パレルモ近郊の街








 <Marsala, Sicilia>
南イタリア・シチリア島、マルサラにて

(マルサラ酒が名産の、カルタゴの遺跡のある街)
 
 
 
 
  
 
 



 <Ragusa Ibla, Sicilia>
南イタリア・シチリア島、ラグーザ・イブラ(旧市街)
 
 
 
 
 
  
 
 
 


<Blue Mosque, Istanbul>
イスタンブル、ブルーモスク
  






2015-07-11

作品 / Works・ピラン / Piran(Slovenia)& KALOKALOHOUSEについて


 
 
 
 

<作品・ピランPiran(Slovenia)& KALOKALOHOUSEについて>

 
 
 



Piran ピラン。 アドリア海沿い、イタリアとクロアチアの間に位置するスロヴェニアの港町。

18世紀の作曲家ジュゼッペ・タルティーニを輩出した地であり、ヴェネツィア共和国の支配下で発展したイタリアの色濃い
町です。
街の中心、タルティーニの銅像の立つタルティーニエフ広場。 広場周辺には、ゴシック、ルネッサンス、バロック等々の
様式の建築も残ります。

これは広場に面したホテルTartiniの窓からの景色を描いたもの。 青空に映える白い広場と家並が素晴らしい眺めでした。
ここはハーバー沿いにある広場で、この手前には海が広がっています。
スロヴェニア。ほんの一日の滞在でした。 イタリアを素朴で優しいパステルカラーに彩ったようなこの国は、私の想い出
の中にひっそりと、でもしっかりと残っています。


この作品は、2014年初夏の茅ヶ崎での個展 ”Verso il mare” 「海へ」の為に描きました。 丘の上から海に向かう風と光、
海に向かう私の気持ちを斜めの線で表現して地塗りをし、そこから描き始めました。

夏に向かう季節、しかも大好きな「カロカロハウス」での個展という事で「Verso il mare」のテーマが必然的に決まり、
その気持ちを込めた作品を何ヶ月もかけて準備しました。 これはそのうちの1枚。
いろいろな青、藍、碧。セルリアン、ターコイズ、コバルトブルー等々。 今思えば、夢のような楽しい制作期間でした。


そして茅ヶ崎のカロカロハウス。 残念ながら今年の6月末で閉廊しました。 本当にありがとうございました。

湘南に戻ると訪れる、私の帰る場所。素敵な出会いもたくさんありました。 またそのうち、海を感じる展示をさせて
いただきたいと思っていたけれど。。。

でも、あのような展示が出来たのは、本当に良かったとつくづく思います。
そして、あの場所にかかわる方々が皆、ここで一区切りして、次のステップに楽しく向かって行ければ良いな、とも
思っています、それぞれ、でも時々は一緒に。 うまく言葉に出来ないのだけれど。
それに私も参加させていただければうれしいです。

たくさんの素敵な想い出とそこで繋がった人達は、ずっと私の中に残り、これからもいろいろなかたちで育って行くでしょう。
旅の記憶と同じように。





 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 
 
 


2015-07-03

作品 / WORKS (写真 PHOTOS)・パリ / PARIS

 

≪Paris≫





<le Marais / マレ地区にて>




 
世田谷美術展に展示した作品を中心に。 最終回はパリ。
いろいろな顔を持つパリ。やっぱりスタイリッシュでオシャレです。
 
 
 
*Paris, le 2 mai 2015 5月2日、雨。 (パリ、マレ地区)
*Café l'Industrie, Bastille カフェ (雨のバスティーユ) (パリ、バスティーユのカフェにて)



 
<Paris, le 2 mai 2015 5月2日、雨。 (パリ、マレ地区) >
出展作品


パリ、Maraisマレ地区。大好きな界隈です。
定宿の裏手にある、いつもの広場を撮った一枚。パリには雨が似合います。
 
 
 
 

 
 

<Café l'Industrie, Bastille カフェ (雨のバスティーユ)>
出展作品
 
 
パリ、Bastilleバスティーユ。 ここも好きな場所。 Maraisマレと通りを隔てて隣接する地区です。
 
歴史ある優雅な雰囲気のマレ地区とはまた違う、味のある場所。 そのコントラストが良いです。
庶民的で下町感溢れるアーティスティックな地区。 アートに心なしかアングラっぽさを感じたり?

雨のパリ。カフェに逃げ込んで、赤ワインを飲みながら窓の外を眺めながら撮った一枚。
こちらの店の絵がガラスに映り込んで、向かいのカフェとのコントラストがアーティスティック。
このシーンに魅せられて、気づいたら夢中でシャッターを切っていました。
 
 
 



 
 

<アルシュヴェシェ橋 Pont de l'Archevêché>
ノートルダムの裏手の「愛の橋」 
 

恋人達が永遠の愛を誓い合って掛ける南京錠。
ヨーロッパを中心にブームになったロマンティックな風習ですが。 この橋の南京錠も最近撤去されたらしいです。

なかなか絵になるのですが残念です。
重過ぎて危険になったとの事。 愛の重さに耐えかねたのでしょうか?^^; 









<ヴォージュ広場のレストラン> 



ヴォージュ広場のビストロ、Ma Bourgogne マ・ブルゴーニュ。 とても絵になる、私の大好きなシーン。
フランスの様々な地方の郷土料理を楽しめるお店。 テラスに座ってのんびりと寛ぐランチタイムも至福の時間。