2017-08-11

旅(Journey)・トルコ、エディルネ / Edirne (Turkey Ⅵ)




<エディルネ Edirne>










エディルネ Edirne。 ヨーロッパ側に位置し、イスタンブルの北西、ブルガリアとの国境近くにある町。
オスマントルコがイスタンブルを陥落させるまで都を置いていたところ。 それ以前はアドリアノープルと
呼ばれていました。

この街を有名にしているのは、世界遺産に登録されているモスク、セリミイェ・ジャーミィ。 オスマントルコで
最も偉大な建築家と言われるシナンの最高傑作。 アヤソフィアより大きいモスクを目指し、イスタンブルの
スレーマニエモスクを建造したものの僅か数メートル及ばず、再チャレンジにて最大記録を達成したモスク
とのこと。 巨大で美しいモスクです。モスクの内部で座り、静かに雰囲気を味わう一時。


イスタンブルから二階建ての長距離バスで3時間弱。 トルコのバスは快適です。

街には由緒ある建物が林立しています。 思ったより観光慣れしていない雰囲気で、町で一番古いエスキ・
モスクでは、その雰囲気に入るのに気が引けたくらい。 モスク内のあちこちに大きく描かれた重厚なアラビア
文字が、信仰の深さを物語っているようです。

エディルネはブルガリアとの国境近く。 アジア側に比べてずっと面積の小さい、ヨーロッパ側のトルコ。
「ヨーロッパ側の田舎町にも行こう」という趣旨もあり選んだのですが、街の印象は、イスタンブルよりも更に
アジアっぽくエキゾチックな筋金入りのトルコでした。

*(ブルガリアやギリシャ等、東欧は私には未知の世界なので、エディルネがトルコ的なのか「最東欧」的
なのかわかりませんが。 それにヨーロッパと一口に言っても、西の果てから東の端までは遥かなる距離で、
歴史も文化も全く違うので、「ヨーロッパ的とは何か」と言うと、別の議論になるかもしれません。 アジアも
同じ事です。 ただ、少なくとも私の中では、エディルネはヨーロッパというよりアジアの香りがしました。)

時間があれば国境を越えてブルガリアの地も踏んでみたかったのですが、近い割にすごく手間と時間が
かかるようであえなく断念。


この都から1452年、オスマントルコの大帝マホメット2世はイスタンブルを目指し出陣。 イスタンブルの西、
カーリエ博物館近くには、この街から続く道の終点に「エディルネ門」が現存します。

歴史については、塩野七海の「コンスタンティノープルの陥落」の知識くらいしかありませんが、読んで
から行くと旅がより楽しめます。

トルコ、イタリアの歴史については、塩野七海や、森川久美を始めとした数人の作家・漫画家の作品でかなり
興味を持ち、情報を得ています。大部分が西欧の立場から見るオスマントルコではありますが。

森川久美の「イスタンブル物語」はとても好きです。 20世紀トルコ独立の中のトルコ人とイギリス人を描いた、
ある程度トルコ目線?(というかニュートラル)な作品。





















<バザール> 





 













<エスキ・モスク>